集中治療

集中治療

Intensive Care Unit

弘前大学医学部附属病院集中治療部は、1983年に4床のベッド数で開設されました。当初より麻酔科を母体とした専従医が患者管理の中心を担うclosed type のICUを目指し運営をしてまいりました。現在は、2013年にSurgical ICU8床が増床となり16床に発展しています。年間の入室患者数は2000名を超え、その内の95%が手術関連の患者様が占め、外科系ICUの要素が強くなっております。しかし、一方で血液・膠原病内科、循環器内科、腎臓内科、腫瘍内科、小児科、精神科などの内科系患者様の治療もどっしりと腰を据えて行い、様々な診療科の最後の砦という重要な役割も担っております。集中治療部は、病院のために重症患者を入室させ治療する部屋ではなく、患者のために集中治療医学を実践する部門でありたいと思っております。

当院集中治療部の挑戦

①集中治療医学の実践:1)鎮痛・鎮静・せん妄ガイドラインに則ったそれぞれのスコアリングと対策、2)重症肺障害患者の膜型人工肺管理(ECMOプロジェクトへの参加)、特殊人工呼吸管理(HFOV、IPV、RTX、Nasal high flow system, etc.)3)高度代謝障害患者に対する急性血液浄化療法の工夫(high flow-volume HDF, etc.)など当院ICUでできる最大限の治療を当院の患者様のみならず弘前大学病院の医療圏で必要とする患者様にいつでも提供できるようにしたいと考えています。

ICU9

②集中治療医学教育:豊富な患者管理数を通した医学部学生教育、保健学科臨床実習、初期・後期研修医教育、そして、一つの目標到達点である集中治療専門医の育成を行っています。

③集中治療医学に関する研究:1)弘大麻酔科伝統のブドウ糖初期分布容量による体液量管理の基礎的・臨床的研究、2)敗血症マーカー「プレセプチン」の有用性の検討、3)敗血症におけるオレキシン神経活動の関与検討、4)日本集中治療医学会データベース作成事業(JIPAD)への参加、5)Japan AKI Database多施設共同AKIレジストリー(JAKID)への参加などオリジナルなseeds研究といわゆる大規模研究へも参加することによって研究の視野を広げることを心掛けています。

ICU10

④チーム医療の実践;当院集中治療部では、医師、集中ケア認定看護師2名を有する看護スタッフ、臨床工学技士、専従薬剤師、医師補助事務・クラークと強固な協力関係を築き、集中治療医学の実践に努めています。

弘前大学医学部附属病院 集中治療部

橋場 英二